OTHERSIDE速報|アザ速

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OTHERSIDEの説明書、
ライトペーパーとは?【後編】

OTHERSIDEの公式サイトには、ライトペーパーというプロジェクトの説明書にあたるページが、2022年7月17日に追加公開されました。今回はその後半の項目にあたる「THE ODK」「THE ENGINE」「THE AGORA」について解説していきます。前編はこちら
 

THE ODK


THE ODK

まず、ここでは「THE ODKとは何か」について解説しています。要約は以下のとおりです。

  • Otherside Development Kit(ODK)とは「クリエーション・ツール」のことで、ユーザーはOthersideのためにコンテンツ作成できます。作成できるものは「人」「場所」「モノ」の大きく3つのカテゴリーに分類されます。
  • 「人」はアカウントやフレンドリスト、そしてOthersideでのアイデンティティです。「場所」は 共通のゲームシステムで行き来できる世界のことです。そして「モノ」は相互運用可能なオブジェクト、アバター、ウェアラブル、アイテムのことで、Otherside上だけでなく他の場所にも持ち運ぶことができます。
  • Othersideは開発者とボイジャーが一緒に作り上げるため、次に説明する「Open Object Standards」というルールが必要となっています。

クリエイターツールである「The ODK」により、誰でもコンテンツを作成し、Othersideの可能性を広げることができます。



Open Object Standards

ここでは、先ほどあった「Open Object Standards」について解説されています。要約は以下のとおりです。

  • ODKで作られたものに相互運用性を持たせるため、オブジェクトが何で、どのように見ることができ、どのように動作するかをOpen Object Standardsで記述します。
  • Othersideのオブジェクトにタグ付けをすることで、共通のゲームプレイを可能にします。(例えば、オブジェクトを椅子としてタグ付けすると座ることができ、オブジェクトをボールとしてタグ付けすると拾ったり投げたりすることができるようになります)
  • 2D画像はPNG、JPGなどの一般的な画像フォーマットをサポートしており、ボイジャーの要求によって追加されます。また、3Dオブジェクトは一般的なgITFフォーマットをサポートしています。
  • ユニバーサルスクリプティングシステムは、オブジェクトとワールドに付与されるスクリプトをサポートしており、動作の定義や拡張をします。
  • Open Object Standardsで作られたオブジェクトはOthersideや外部プロジェクトでも完全にサポートされます。(JavaScriptで開発中)

Open Object Standardsによって共通のルールを定めることで、作成したコンテンツをOthersideやM²基盤の他のメタバースプロジェクトなどで、幅広く使える予定のようです。



Authoring and manufacturing processes

ここでは、ODKツールの基礎となるオーサリングと製造プロセスという2つのタイプについて言及されています。要約は以下のとおりです。

  • オーサリングツールとは、簡単に使用できるもので、共同作業によりアセットを集め、オブジェクトのテンプレートに合成することができます。テンプレートは共有、取引、販売することができ、作成に資源は不要です。
  • 製造ツールとは、オブジェクトがOthersideで現実的かつ恒久的になるために製造することができるツールです。ボイジャーはOthersideから資源を集め、テンプレートと組み合わせて、ゲーム内で使用、操作できるオブジェクトを製造できます。オブジェクトが製造されるとことができます。
  • 製造するために必要な資源はプロットで見つけたり、取引したり、プレイによって獲得でき、オブジェクトが大きく複雑であるほど、製造に必要な資源は多くなります。一部のオブジェクトは、オプションで資源を付与することにより、特別な特性を付与することができます。

ODKのツールは開発の初期段階であり、今後、使用やテストが進むにつれて、多くの部分が変化し、進化していくことが予想されます。


 

THE ENGINE

続いて、OTHERSIDEシステムの基盤となるTHE ENGINEをみていきましょう。


THE ENGINE

Othersideは、Improbable社のM²テクノロジーを活用し、何千人ものボイジャーが同時に同じ空間に集まることができる予定です。あらゆるデバイスで誰もがコミュニケーションでき、一緒に遊ぶことができることを目標として制作されているようです。

  • Othersideは、コミュニティを作り、参加し、学び、共にメタバースを探求する最高の場所にするため、次の3つの主要な技術的課題を解決することを目的としています。
  • 1:群衆ネットワーキングとレンダリング(何千人もの人々をクラウドに集結)
  • 2:群衆と空間オーディオ(何千人もの人々がリアルタイムで会話)
  • 3:あらゆるデバイスからのアクセス(誰もが自分のデバイスからアクセスが可能)

ここからは「THE ENGINE」で解説されている技術的課題と解決方法について、ひとつずつみていきます。

課題:群衆ネットワーキングとレンダリング
現在の他のメタバースでは、同時に参加できる人数が少なく、既存の技術では大規模なイベントを実現することが難しく課題となっています。OTHERSIDEでは高クオリティで多人数が対話ができる環境を目指しています。

解決方法:Morpheus(モーフィアス)
OTHERSIDEでは大規模イベントで数千人のプレイヤーが参加できるMorpheus技術を公に実証しています。Morpheusは毎秒30フレーム以上の高グラフィックを維持することができ、数千人のプレイヤー間でネットワーク情報を交換を行い、ユニークなアバターが同時に対話できる環境を実現することができます。

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課題:群衆オーディオ
何千人もの参加者がいる環境で一人一人の声がはっきりと聞こえるようにするのは難しいことです。これは、テキストとオーディオのマイクチャットのトラフィックを管理するのが非常に困難となる仮想空間における技術的な課題となっています。

解決方法:空間オーディオ
OTHERSIDEでは、数多く入力されたオーディオストリームとレンダリングされた空間出力ストリームを処理できるように構築されています。空間オーディオ技術によって、何千人ものプレイヤー間でも、自分のまわりで音が出ているかのような臨場感とリアリティのある環境を実現することができます。

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課題:あらゆるデバイスからのアクセス
高性能なゲーミングPCを持っている潜在的なプレイヤーしか参加できないことは、Othersideがあらゆる種類の人々が大勢集まるという哲学と相反するものです。高価な機器を必要とする体験はプレイヤーを劇的に減少させ、メタバースにアクセスするためだけに複雑な設定が必要であれば、参加する人の数はさらに減少してしまうことが課題です。

解決方法:全プラットフォームに対応するストリーミング技術
M²プラットフォームにはゲーム映像のストリーミングサービスが含まれており、プレイヤーはモバイルデバイスを含むあらゆるデバイスからOTHERSIDEに瞬時にアクセスできます。これによって、事実上、誰でもすぐにOTHERSIDEに参加し、コミュニティとつながることができるようになります。

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Othersideはこれらの技術的課題を解決することで最大級のメタバースプラットフォームを実現しようとしています。


THE AGORA


THE AGORA

ここでは「AGORAとは何か」について言及されています。要約は以下のとおりです。

  • AGORAはOthersideが計画しているマーケットプレイスで、創造、農業、収穫など、多種多様なものを購入、選別、発見、取引、販売するためのものです。AGORAは、Othersideの経済に参加し、その恩恵を享受する最も速く、簡単で、安全な場所を計画しています。
  • Othersideの開発を続けるにつれ、私たちの主要な体験とユーザーや開発者による創作物の両方において、Othersideの資源に対する需要と供給が増加し、進化していきます。
  • ユーザーや開発者が、これらの資源を利用して、様々な素晴らしい作品を作り上げることを期待しています。あなたの行動によって、収穫した資源、ODKを使用して製作したアイテム、見つけた戦利品の本来の有用性が形成されます。

AGORAと呼ばれるマーケットプレイスにより、あらゆるものが取引され、Othersideのプラットフォーム上での経済活動が活発になることが想定されます。
 

OTHERSIDE速報|アザ速

OTHERSIDEの説明書であるライトペーパーの後半部分である「THE ODK」「THE ENGINE」「THE AGORA」について解説しました。OTHERSIDEは開発者とプレーヤーが中心となって世界を自由に形作ることができるプラットフォームを目指しており、これからの展開に期待していきたいです。